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カルミニョーラのマスタークラス聴講 [パガニーニへの道 II]

本日、トッパンホールにてカルミニョーラのマスタークラスを聴講してきた。
受講生は2人ともに芸高の生徒さんで、コンクールの上位入賞者との紹介があった。
さすがにこのクラスの生徒さんとなるとノーミスで全曲弾き通す実力があり、安心して演奏を聴くことができた。特に2番目の生徒さんは、オールドのすごい楽器を持っておられるようで、弾いただけでその違いがわかるほどであった。

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40分前に到着したのだが人の列ができていた。

レッスンは、まずモーツアルトの第5協奏曲から。
いきなり1楽章と2楽章を続けて弾かせたのはびっくり。弾いている間、カルミニョーラがずっとだまって聴いていたのですごく緊張感がはしる。この緊張感のなか臆せずどっしりと弾いておられたのには感心。このレベルになると技術的な傷はほとんどなし。演奏が終って、カルミニョーラがどのようなコメントを寄せるのかワクワクしていたが、以下のようなものだった。

・技術的にはとても素晴らしい。アドバイスすることは2,3しかない。⇒と言いつつもかなりビシバシ後から指摘。たぶんこの生徒さんは、いつもの先生と違うことを言われて少々戸惑っていたかも。

・カデンツアが古くさい。今はヨアヒムとかイザイなどのような名人芸を見せつけるようなカデンツアは流行らない。もっとモーツアルトの音楽に近い楽譜で演奏すべし。例えば、ロバート・レヴィンのカデンツアは、ABCというようにパーツにわけて自由にカデンツアを作れるようになっているので、そうしたものを使って利用してみるとよいだろう。

・同じフレーズが出てきたときの弾き方を工夫せよ。同じような強さで弾かないこと。
 ⇒結構、彼はフレーズを口ずさみながら、大げさな身振りで、時には床を足で踏みつけたり、指をならしながら指示をしていた。とにかくイタリア人らしく表情豊かだ。

・オーケストラが今どんな音を出しているのか、想像しながら弾く事。
 ⇒ここは後ろでチェロがこんな風に弾いているとか、チェリストの真似をしながらフレーズを口ずさむ。

・ビブラートのかけ方に注意。のんべんだらりとかけないこと。ときにはノンビブラートで弾くべき箇所もある。他、開放弦も響きもうまく利用せよ。

・デクレッシェンドとクレッシェンドの効果。フォルテとピアノを工夫して。
 どの位置からどういうタイミングでかけていくと効果的か、考慮。オーケストラとの駆け引きも考えながら。

次にシューベルトのソナチネ

こちらもいきなり全楽章を弾かされる。

こちらの生徒さんは、おそらく音楽を好きで弾いているのがわかる。バイオリンが良いせいもあるが、音色がとても良い。ビブラートは腕のビブラートを使っていて濃厚なビブラートで個性あり。でも少々フレーズ間の強弱のつけ方が弱いと思っていたら、カルミニョーラはそこを指摘。どうしても日本語のようなシューベルトなのだが、カルミニョーラは、そこをイタリア語に直そうとしている感じ。

とにかくfとpの違いをしっかりコントラストをつけて弾く事ことを要求。

これで大体2時間半くらいのレッスン。カルミニョーラは1時間のレッスンが3時間になる先生だそうで、途中で矢野さんに止められていた。

今回の公開レッスン。フレーズ間のコントラストのつけ方という点ですごく勉強になった。イタリア流の遠慮なく表現するという大げさが日本人には足りないのだろう。
他、非常の細かいところまで弾き分けて演奏している。それとよりよい音するための熱心さ。学ぶべき点が多いレッスンだった。

明日の演奏会も楽しみだ。
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